Ellie's story

Ellie's story
赤いきのこを見つけると、

願いがかなうんだってさ。

とある森に住むウサギのエリーは、

いつも街に行ける日を夢見ながら、

赤いきのこを探していました。
ある日、エリーが食糧を探していると、

木の根元に赤いきのこが。

エリーは大喜び。

辺りに誰もいないことをいいことに、

ひとりできのこを取ろうとします。

手を伸ばしてあと少し、、、。

ところが、

赤いきのこを手に取ったその時、

エリーは、足を滑らせて

木の根と根の間の穴に落ちてしまいました。

気付いたら街の路地裏。

恐る恐る通りをのぞいてみると、

そこには憧れの街の景色が。

ここはどこだろう。

ふと見上げると、

「ハッピーアイランド通り」

と書かれた看板を見つけました。

「なんて素敵な街なんだろう。」
街にはすばらしいものが

たくさんありました。

憧れだったものを手に入れ、

エリーは美味しいものや

きれいなものに囲まれて暮らします。

しかし、

しあわせな時間は続きませんでした。

いつも隅っこで隠れる日々。

話し相手もいない。

楽しいはずなのに楽しくない。

ほしいものは手に入ったのに。

虚しくなって辛くって、

それでも自分の居場所を探し続けて

エリーは疲れ果ててしまいます。

ある時、

街の隅っこで人参を食べていると、

女の子に見つかってしまいます。

エリーは慌てて逃げると、

一匹の犬にぶつかります。

びっくりした拍子に落とした食糧を

拾いますが、

背負っていた大切なきのこを、

パクリと食べられてしまいました。

願いが叶うきのこが、

なくなってしまったのです。

途方にくれて歩いていくと、

古く人気のない時計塔が。

エリーはここで一晩過ごすことにしました。

時計塔の中は広く、暗く、寂しく、

エリーより遥かに大きなものでした。

窓のそばに腰掛けて、

外をぼんやり眺めていると、

後ろから何者かが近づいてきました。

それは、一匹の老鼠でした。
「こんにちは。君はどこのうさぎかね。」

エリーは老鼠に話しました。

丘から来たこと。

きのこのこと。

素敵な街のこと。

人間のこと。

全て話しました。

すると老鼠は

「君の本当の居場所はどこなんだい?」

と尋ねました。

自分の居場所。

この時はじめて、エリーは

本当に自分に大切なものは

なにかを考えました。

「僕の本当の居場所は、丘にある。」

そして、エリーは帰る決心をします。

エリーは気づいていませんでした。

丘の素晴らしさ。

仲間の素晴らしさ。

自分はしあわせだったということ。

自分より遥かに小さい鼠から教わった

大きなこと。

エリーは老鼠にお礼を言うと、

丘を目指して出発しました。


山を越え、川を越え、

エリーは丘へ戻ります。

その過程には、

初めて見るものがいっぱいありました。

橋を越えた時、

エリーは自分より小さい蟻に出会います。

自分が簡単に越えられる段差でさえ、

蟻にとっては一苦労。

そこでエリーは手に持っていた

枝を立ててやりました。

一匹ずつ、蟻はエリーに

お礼を言いました。

「ありがとう。」

エリーは言葉の暖かさを知りました。
ついに丘への道が見えた時、

大きな川にぶつかります。

エリーは丘で摂ってきた木の実を出し、

空を自由に飛び回る鳥を呼びました。

「この木の実と引き換えに、

ぼくを川の向こう岸まで

連れて行ってくれないかい。」

鳥は

「もちろんいいとも。」

と言って、

エリーを背中に乗せて川の上を

飛んでいきます。

何かの代償に何かを得る。

そんなよろこびを知っていくエリー。

こうしてエリーは無事に森に

帰ることができました。

辛くても楽しい道のりでした。

たくさんの出会いがありました。

すると、

森の仲間たちが集まってきました。

「おかえり、エリー。」

自分の居場所は、仲間は、

ここにあったことに改めて気づきます。

エリーは今までのことを全て話しました。

きのこを見つけて願いが叶ったこと。

なくしたこと。

たくさんの出会いのこと。

仲間たちは話を聞いたあと、

「それは大変だったね。

でもちゃんと気付いたじゃないか。」

と言いました。

「実はねエリー、

僕たちも赤いきのこを見つけたんだ。

そこにはエリーが無事に帰ってきますように

とお願いしたんだ。」

こうして、

エリーと仲間たちは幸せに暮らします。